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 今年も暑い夏が過ぎすっかり秋らしくなってきました。その年その年で天候に変化があり同じ天候ということはありません。今年は今年の時間を過ごしていますね。だからこそ今、この時間を大切にしなくてはなりません。

 四月末に境内に続く畑の草刈りをしておりましたところ、草刈り機の軌跡の向こうに何やら茶色い大きなものが飛び出してきました。びっくりしながらよく見るとメスの雉。そのキジはその場から逃げようとしません。それどころか私の周囲を遠巻きにしながらにらんでいるようにも見えました。不思議に思いながら次を刈り取ろうとした茂みの中に綺麗に並んだ小さな卵が十一個。卵を抱えたキジのメスだったのです。雉は夫婦仲良く子育てをする鳥といわれますよね。雄は外敵に対して自らが囮となって、遠くへ引き離していく。メスは首を刈られても卵を守り抱えている。夫婦が力を合わせて雛を育てていく。夫婦の在り方を象徴する存在として言われますね。

 われわれ人間も参考に生きていかなくてはならないことですね。ほかにも動物たちは考えるわけでは無いけれど、生まれながらに持っている本能に従って生き、子育てをしますよね。そこには本能として親が子を思う強い力を感じます。

 平穏な世界が続き大切な全ての子供たちが幸せに暮らせることを心から念じてやみません。

                           合掌

                    法重山 光福寺

                     住職 佐武 晃正

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